8月になりました!
今年は梅雨明けが早かったので夏が長く感じますね。
長崎の夏といえば「精霊流し」が有名です。さだまさしさんの歌にも歌われています。
お盆が終わる8月15日、長崎の街は独特の喧騒と静寂が交差する夜を迎えます。
「精霊流し(しょうろうながし)」──それは亡き人の魂を極楽へ送り出す、長崎ならではの伝統行事です。
初めて見る人にとっては衝撃的なこの行事、どんなものか改めて調べてみました。
■ 精霊流しとは
精霊流しは、盆前に逝去した人の遺族が故人の霊を弔うために毎年8月15日に行われる伝統行事です。
故人の魂を乗せた「精霊船(しょうろうぶね)」を担ぎ、鐘や爆竹を鳴らしながら市内を練り歩き、極楽浄土へと送り出す長崎独自の行事で、もともとはお盆の迎え火・送り火に由来する仏教的な意味合いを持つもので、長崎では江戸時代から続いていると言われています。
他の地域で見られる「静かに灯篭を流す」行事とは異なり、長崎の精霊流しは非常にダイナミック。
派手な爆竹、鐘の音、船の装飾──すべてがこの世とあの世を結ぶ“橋渡し”の儀式なのです。

どんな風に行われるの?
精霊流しが行われるのは毎年8月15日の夕方から夜にかけて。
長崎市内を中心に、個人で作った精霊船や町内会、団体による大型の船が集まり、亡き人の名前を掲げながら市内を行進します。
各家で造られる船は主に竹や板、ワラなどを材料とし大小さまざまで、長く突き出した船首(みよし)には家紋や家名、町名が大きく記されます。
故人の趣味や趣向を盛り込んで装飾し、特徴的な船が造られます。町内合同で「もやい船」を出したり、8月になると細部の飾り付けにまでこだわった様々な造りかけの船が路上に多く見られるようになります。

当日は夕暮れ時になると町のあちらこちらから「チャンコンチャンコン」という鐘の音と、「ドーイドーイ」の掛け声が聞こえ、耳をつんざくほどの爆竹の音が鳴り響き、行列は夜遅くまで続きます。
爆竹の音が途切れることなく鳴り響き、鐘を叩く「チャンコン、チャンコン」という音が重なり、街はまるで異世界にいるかのような雰囲気に包まれます。
精霊船はかつて海や川に流されていましたが、現在は環境保護の観点から、多くは所定の場所に運ばれて焼却処理される形式に変わっています。
長崎市以外の精霊流し
精霊流しは、長崎市周辺の各地域でも行われています。
マイハウスがある西彼杵郡時津町や隣接する長与町では、地区ごとの精霊船集積所が設置されます。
精霊船の形は、長崎市内とほぼ変わりません。
精霊船が特徴的なのは、島原市。
竹とワラで作った精霊船に切子灯籠(きりことうろう)を飾り付けた島原独特の精霊流しです。
市内数カ所の流し場から、有明海に流すクライマックスは感動的です。

精霊流しを観に行くなら……
家族や友人が心を込めて作る精霊船は、まさに“故人へのラストメッセージ”。
写真や趣味のもの、キャラクターを使ったユニークなものも見られます。
チェックしてみてくださいね。
また、長崎の精霊流しには爆竹が欠かせません。
音が大きく、煙も出るため、初めての方は耳栓やマスクの用意をすると安心です。
お盆にはコンビニでも耳栓が販売されていますよ。
そして特に長崎市内は交通は混雑します。当日は道路規制もあり、非常に混み合います。
公共交通機関の利用がおすすめです。安全に気をつけて、精霊流しを楽しんでくださいね!